最高の上司になる方法
最高の上司になる方法 ~それは「最低の上司」を目指すという逆説~
「最高の上司」と聞いて、多くの人は部下の模範となり、何でも自分で完璧にこなす頼れる存在をイメージするでしょう。しかし、もしその努力が逆効果を生んでいたらどうでしょう?
私はメンタルの専門家として、今までの経験から出来る上司がいる会社は一時は成長します、でも5年を経過する時に、会社は伸び悩んでしまい部下の成長は見込めずに低迷を続けてしまう会社になってしまいます。
実は、部下のやる気を引き出し、組織全体を活性化させるためには、「最低の上司」を目指すという発想が効果的なのです。この逆説的な方法を具体的に紐解いてみましょう。
1. 「何でも自分でやる上司」の落とし穴
優秀な管理職ほど、「部下がやらないなら自分がやればいい」と考えてしまいがちです。この姿勢は一見すると理想的に見えますが、結果的に部下の依存心を強め、「上司がやるから自分はやらなくていい」といった心理を生んでしまいます。部下は自主性を失い、組織全体の生産性が低下する原因にもなり得ます。
2. 部下の「やる気」と「能力」の関係
部下が成果を上げられないのは、能力不足ではなく、やる気が欠けているだけの場合が多いのです。能力そのものは備わっているのに、それを発揮する環境やモチベーションが整っていないことが問題なのです。
例えば、部下が「やらされている」と感じている場合、仕事への意欲は湧きません。上司が「どうせ自分がやったほうが早い」と考えるほど、部下のやる気は失われていきます。
3. 「最低の上司」を目指すというアプローチ
ここで提案するのが、「最低の上司」を目指すという考え方です。つまり、部下に任せるべき仕事を上司があえて手を出さず、部下に責任と裁量を持たせるということです。ポイントは以下の3つです:
- 部下を信じて任せる 「あなたに期待している」という姿勢を明確に伝えることが重要です。任せる範囲を広げ、成功体験を積ませることで、部下は自信とやる気を高めていきます。
- 失敗を受け入れる 部下が挑戦して失敗した場合、叱責するのではなく、その経験を活かすフィードバックを与えましょう。失敗は成長の種であり、部下の自主性を育む絶好の機会です。
- 自分は「頼れる相談相手」に徹する 部下が困難に直面したときに寄り添い、アドバイスを与える役割に徹しましょう。ただし、問題をすべて解決するのではなく、方向性を示すに留めます。
4. 「最低の上司」になることの効果
このアプローチにより、部下は「自分が責任を持って仕事を進めるべきだ」と認識するようになります。結果として、部下のやる気が向上し、組織全体のベクトルが一致します。
さらに、部下が成長することで、上司であるあなた自身も、管理の負担から解放され、より重要な業務に集中できるようになります。
5. 「最高の上司」は部下の成功を支える人
「最低の上司」を目指すことは、上司としての役割を放棄するわけではありません。むしろ、部下が能力を最大限に発揮できる環境を作ることこそ、最高の上司の条件です。部下の成功を支える裏方に徹することで、結果的にあなたも部下も輝くことができるのです。
最後に、「最高の上司」とは、自分が輝くのではなく、部下を輝かせる存在であると心得ましょう。部下の可能性を信じ、あえて「やらない」を選択する勇気が、最高の結果を生むのです。
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